ニコチン依存症のメカニズムと治療法
- 2023.09.14
- 禁煙について

ニコチン依存症にはメカニズムがあります。ここでは、ニコチン依存症のメカニズムと、ニコチン依存症の治療法について解説します。
Contents
ニコチン依存症のメカニズム
煙草を吸うと、体の様々な臓器を傷つけ疾患になる危険性が高くなります。その中には、肺がんなど命を奪う恐ろしい疾患も含まれています。それにも関わらず、喫煙してしまうのはニコチン依存症になっているからです。ニコチン依存症のメカニズムを紐解いていくと、その理由がわかります。
煙草を吸うとニコチンはかなりのスピードで体内に吸収され血液によって脳へと運ばれます。しかし、最初の段階では、脳はニコチンに反応しません。というのも、大脳には運ばれたニコチンに反応する受容体がまだないからです。そのため、煙草を「美味しい」と感じることもありません。
それでも諦めずに喫煙を繰り返していくと、次第に大脳にニコチン受容体がつくられます。すると、煙草を吸ってニコチンを吸収し、大脳にあるニコチン受容体のところまで運ばれたならば、その2つは結合します。
結合がおきると脳にあるドーパミンを生み出す報酬回路が活性化して、脳内に放出されるのです。ドーパミンというのは快感を生み出す神経伝達物質で、それが大量につくられたときには人は幸せな気持ちに浸ります。
このドーパミンこそが喫煙者が煙草を吸って「美味しい」とか「気持ちが安らぐ」と感じる理由です。
報酬回路とは特定の行為をしたときに、快感を感じる回路のことです。報酬回路は、薬物やアルコールの依存症でも重要な鍵となります。
この場合にはニコチン受容体が反応すれば、”必ず”報酬回路が働きます。喫煙をして報酬回路が活性化する流れが長期的な記憶に刷り込まれたら、以前の状態に戻ることは困難です。
そして、喫煙をするたびに、ニコチン受容体がドーパミンの放出が繰り返されると、少量のニコチンではニコチン受容体を活性化をさせることが難しくなります。
すると、快感を得たいがために大量のニコチンを求めるようになります。ニコチンというのは摂取してもすぐに消えてしまうため、量を増やしたいのであれば喫煙量を増やさなければいけません。

さらに肉体的ではなく、精神的な依存もあり生活の中に煙草が組み込まれてしまったため、集中力にも欠けてきます。
ニコチン依存症の厄介なところは、脳を変えてしまうため、本来であれば日常生活でドーパミンが放出されていたことにも反応しなくなることです。
つまり、煙草を吸ってニコチンを吸収する以外の方法では快楽を得にくい体になってしまいます。
そのために離脱症状は非常な苦しみを伴い、禁煙を途中で止める人が少なくありません。禁煙している期間が長いほどに欲求不満の状態はひどくなり、再び煙草を吸ったときの快感も大きくなります。
このことから、煙草は体にとって害になるものではなく、ストレス解消に欠かせないものだと認識してしまう人もいます。そして二度と禁煙にはチャレンジすることがなくなります。
ニコチン依存症を治す方法
上述した通り、禁煙とはニコチン依存症の治療で、困難を極めます。難しい禁煙を成功させるためには、チャンピックスやニコチンガム、ニコチンパッチが必要です。
チャンピックスは、ニコチン依存症の治療薬で、禁煙外来などで処方されます。

ニコチンガム・ニコチンパッチは、いきなりニコチンの摂取を断ってしまうと、離脱症状に悩まされるので、煙草以外の方法でニコチンを補給するやり方です。
離脱症状を軽減させることができれば、次第に喫煙しなくても済むようになり禁煙に成功できます。
もちろんニコチン依存症から脱するためには、ニコチンガムやニコチンパッチも最終的には止めなければいけません。
かといって、これもいきなり使用をやめれば、離脱症状がでてきます。ニコチン製剤は、徐々に数や回数を減らしていき、最終的に使わずに済むようになる事を目指すのです。
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